3月 16日

新型コロナウイルスとの闘いにおけるロータリーの役割

ロータリアンの皆さま

現在、新型コロナウイルス(COVID-19)が私たちの生活のあらゆる側面にリアルタイムで影響を及ぼしており、ロータリアンは通常とは異なる事態に直面しています。「世界を変える行動人」 として自由に動き、会合を開き、支援の手を差し伸べて世界に関与できることが最善の状態ではありますが、目下の状況では、一緒に学び、成長し、そして奉仕することが非常に困難となっています。

リーダーシップが求められる今日、私たちは地域社会のリーダーとなっており、多くの点において今こそ私たちが必要とされるときとなります。私たちはこれまで、助けを必要としている人びとに迅速に支援を提供するため、行動し、協力する能力を証明してきました。それはまさに、現在の世界で必要とされているスキルです。新型コロナウイルスに対する世界的な取り組みは各国での行動にかかっており、ロータリーには、すべての国と地域社会で、それらの行動を前進させるための能力が備わっています。

ロータリアンは、ロータリークラブ、ローターアクター、インターアクターと協力し、あらゆる技術を駆使して大きなプロジェクトに取り組むことができます。実際、保健当局が必要とされる情報を伝えたり、必要な機器や支援を提供したりする際に、ロータリークラブが力となる例が数多くあります。

ロータリー会長、そして会長エレクトとして、私たちは今後のロータリー行事に関して極めて真剣に検討を行ってきました。ご存じかもしれませんが、私たちは国連との協力関係に焦点を置いた二つの会長主催会議(それぞれパリとローマが開催地)を中止するという困難な決定を下しました。また、ロータリー地区とクラブには、国や地元の保健当局の勧告に従って、近く開催予定の会合や行事を中止または延期することを推奨しております。

この困難な状況において、すでに多くのクラブや地区が、テクノロジーを賢明に駆使し、それぞれの地域社会でリーダーシップを発揮する機会を見出しています。例として、イタリアのEクラブは新型コロナウイルスへの認識向上を目的としたオンラインセッションをライブ発信し、台湾のクラブは企業や薬剤協会と連携して手の消毒液ボトル1600本を基隆市に提供し、スリランカでは保健推進局によるウイルス対策メッセージの配信を援助するため複数クラブがソフトウェアとハードウェアのアップグレードを支援しています。

ウイルスの状況が今後どのような経路をたどるのかはまだ分かりません。私たちは、保健システムによる課題への対応を可能にするために、短期的に症例数を減らすための役割を果たすことができるでしょう。もし世界の力を集結して現況の制御に役立つことができれば、願わくば、ホノルルで開催される2020年ロータリー国際大会で、私たちの中核的価値観をあらためて心に刻むことができることでしょう。そこで私たちが共に過ごす時間は、これまで以上に大きな意味と目的をもつことでしょう。

すべての参加者の安全を確保するため、6月の国際大会の計画を今後も綿密に検討していくことをご承知おきください。世界保健機関(WHO)や米国疾病対策センター(CDC)など、世界で最も信頼される情報源を注視しつつ、皆さまと皆さまのご家族が大会参加に関して何が最善であるかを決定できるようにしたいと考えております。

今は、「ロータリーは世界をつなぐ」のテーマを革新的な方法で示す機会となります。また、私たちはWHOと地元保健当局の勧告に注意深く従うべきであり、それには、感染を引き起こしうる不必要な接触を減らすためにクラブの行事や会合を中止することも含まれます。私たちが注力できることは、恵まれない境遇にある人びとが孤立や不安に対応できるよう支援し、保健当局が現況に対処できるよう支援するなど、各地域社会での活動となるでしょう。

私たちはリアルタイムでこの状況に対応しています。最新情報は、rotary.orgの新型コロナウイルス関連ページをご参照ください。

私たちのほぼ全員にとって、これは前例のない挑戦です。しかし同時に、人びとと地域社会を導き、世界を良い方向へと導くための意義ある新しい方法を見つける機会ともなります。

私たちは、地元と世界中で地域社会を守り、かつ強化するために多くを実現する団体の一員であることを、かつてないほどに誇りとすることができるでしょう。

心を込めて

2019-2020年度国際ロータリー会長
マーク・ダニエル・マローニー

2020-21年度国際ロータリー会長
ホルガー・クナーク